「50代からでもリスキリングに取り組む必要はあるの?」
「50代が目指すのにおすすめのIT資格って?」
このように考えている人もいるのではないでしょうか。
そこで、今回の記事では50代から取り組むリスキリングについて紹介しています。50代が目指すのにおすすめのIT資格についても紹介しているので、転職を検討している50代にとって有意義な情報が詰まっています。
是非最後までご覧ください。
バズワード「リスキリング」は50代からでも取り組むべき?

転職や自身のスキルアップをするために20代や30代のリスキリングはよく耳にしますが、50代からでもリスキリングに取り組むべきなのでしょうか。正直、ただのバズワードでは?と思っている人も多いかもしれません。
アンケート結果などからも必要性を解説していきます。
リスキリング・学び直しとは
リスキリングとは、ビジネスモデルなどの変化があっても対応できるように、業務上必要とされている知識やスキルを学ぶことです。
経済産業省はリスキリングについて以下のように定義しています。
「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」
また、リスキリングに取り組むことで現在の会社だけではなく、起業や転職などにも役立つスキルを身に付けることができます。
リスキリングは意味ない?実は50代からも必要
社会人になってから約30年経過して新しいことを学ぶことに抵抗がある人も多いかもしれませんが、結論から言うと、50代からでもリスキリングは必要です。
その理由を解説するにあたり、NIKKEI STYLEが行ったアンケートの結果を紹介します。
このアンケートは、以下のような観点で実施されています。
- 50代の社員が自身をどのように評価しているか
- 50代の社員が20~40代の社員からどのように思われているか
それでは、順番に見ていきましょう。
50代の社員が自身をどのように評価しているか
まず、50代の社員が自身をどのように評価しているかのアンケートの結果では、「特に課題と感じる点がない」と回答した割合が一番多く、44.0%となりました。自身のキャリアや業務スキルに課題と感じている人は少ないようです。
また「デジタルツールに対応できない」と回答した割合はわずか9.0%で、50代の社員の9割が対応できている、もしくは重要性を感じていないことがわかる結果となりました。
50代の社員が20~40代の社員からどのように思われているか
それでは、50代の社員は20~40代の社員からどのように思われているのでしょうか。
先ほど50代の社員のデジタルツールに対する自己評価は高いものとなりましたが、20~40代の社員からは「デジタルツールに対応できない」と回答した割合が29.3%でした。

50代の社員自身はデジタルツールに関する評価は高いものの、若い方々からは評価されていないケースもあるようです。
50代の社員が考えている以上に20~40代の社員からはデジタルツールへの対応力がないと判断されており、それぞれでギャップが生まれる結果となりました。
一緒に働いている部下や後輩からは「対応できていない」と思われているため、50代からでも特に業務に必要なデジタルツールなどのリスキリングが必要であることがわかります。
50代が求められているリスキリングとは?


それでは、50代が求められているリスキリングにはどのようなものがあるのでしょうか。
AIやIoTが発展している世の中で、特に若手は仕事の幅を広げたり、新規案件の獲得、高単価案件の獲得をするためにIT系のスキルを身に付ける人が多いですが、50代はどうでしょうか。
50代からでも仕事の幅を広げ転職や昇進を狙うことは十分にできますが、50代だからこそ学びやすく仕事で活用しやすいリスキリングに取り組む必要があるでしょう。
50代の社員にとっては、これまで未経験だったジャンルを学ぶのではなく、これまで経験してきた分野においてさらに知見を深めるのがおすすめです。
これまで社会人歴約30年の中で培ったスキルや経験をさらに深めたりデジタルツールなど業務で使用する分野を学ぶことで、職場の社員との交流や働きやすさ、自身の市場価値向上にもつながります。
具体的には、これまで培ったビジネススキルや知識は時代の変化とともに古いものとなってしまいますが、最新の知識を取り入れて時代の変化に対応することです。
これから取り組むリスキリングを無駄にしないためにも、今後世の中がどのように変化するのかを知り、時代に合わせた学習法で取り組むのが良いでしょう。
50代からリスキリングに取り組むための方法とは?


プログラミングやマーケティングなど専門知識を求められる分野においては、50代で新たに学ぶのは難しいかもしれません。
しかし、これらのスキルや知識を身に付けることで自身の市場価値向上につながり転職などにも活きてきます。
50代からリスキリングに取り組むためには、以下の3つの方法があります。
- 独学で学ぶ
- 講座やスクールで学ぶ
- リスキリングをする目的を明確にする
それぞれ、順番に解説します。
リスキリングを独学で学ぶ
まずは、独学で学ぶ方法です。
50代がリスキリングに取り組む際には、学びたい分野の本を読むことや、無料で配信されている動画などを見ることで全体像を理解することができます。学んだことを実践できるレベルまで到達させるために資格取得を目指しても良いですが、まずは全体像を捉えることが大切です。
たとえば、デジタルツールで言えば社内のコミュニケーションツールではどのようなことができるのかを把握するだけでも業務効率化につながります。また、デジタルツールを駆使して業務をペーパーレス化できれば会社の経費削減にもつながりますよね。
社内のコミュニケーションの円滑化だけではなく、会社にとっても利益が生まれることなので、まずは読書や動画閲覧で学んでみましょう。
リスキリングを講座やスクールで学ぶ
次に、講座やスクールで学ぶ方法です。
これまで経験してきた分野をアップデートするのであれば、最新の書籍を読むことやネットで情報収集をするだけで事足りるかもしれません。しかし、初めて取り組むことや新しい分野について学ぶ際には、独学ではなく講座やスクールで学ぶ方法がおすすめです。
講座やスクールで学ぶことで、最新の知識を持っている講師のもとで相談できる環境を持てます。独学で行き詰ったときにも相談する相手がいれば、学びの近道となるでしょう。
また、近年ではオンラインの普及が広がり、対面だけではなくZoomなどを使用したオンラインセミナーなども増えてきているため、有効活用しましょう。
リスキリングをする目的を明確にする
リスキリングに取り組む際には、目的を明確にすることが大切です。独学や講座で学ぶ方法を紹介しましたが、リスキリングに取り組む目的が明確になっていないと、継続できず無駄な時間を過ごすことにもなりかねません。
たとえば「転職に有利な資格を取得したい」や「社内の資格手当を受給して給与を上げたい」など、明確な目的を持つと良いでしょう。
リスキリングに取り組む目的を明確にすることで、目的に向かって学びを継続することができますし、勉強が苦になりづらいでしょう。
50代がIT資格を取得したときのリスキリングの効果やメリットとは?
50代がIT資格を取得したときのリスキリングの効果は以下の3つです。
- ITリテラシーの向上
- ITを活用した業務効率化
- ITツールで必要なものを明確にできる
それぞれ、順番に解説します。
ITリテラシーの向上
50代がIT資格を取得したときのリスキリングの1つ目の効果は、ITリテラシーの向上です。
ITの資格を取得して知識を身に付けることで、古い知識から最新の知識へアップデートできます。
時代の流れに合わせたスキルや知識を身に付け、仕事の質を高めることにつながります。
ITを活用した業務効率化
50代がIT資格を取得したときのリスキリングの2つ目の効果は、ITを活用した業務効率化です。
コミュニケーションツールや自動ソフトなどを使用することで業務効率化につながります。
たとえば、部署のチャットグループを作成し毎日の業務進捗などを報告することで、メンバー全員が管理できるようになり効率化を図れます。
また、会議資料を人数分印刷して冊子に綴じていた作業をデータで共有することで時間短縮にもつながります。
このように、ITを活用することで業務効率化や経費削減などにもつなげられるでしょう。
ITツールで必要なものを明確にできる
50代がIT資格を取得したときのリスキリングの3つ目の効果は、ITツールで必要なものを明確にできることです。
ITについて右も左もわからない状態では、どのような場面でどのようなツールを使用すればいいか判断できません。
ITの資格を取得しさまざまなツールについて全体像を知ることで、自身の業務にどのようなツールが必要なのかを明確にできます。
不要なものを省き、必要なものだけを取り入れることで先述した業務効率化にもつながります。
50代からのリスキリングにおすすめの人気IT資格講座を2つ紹介!
50代からのリスキリングにおすすめのIT資格は以下の2つです。
- ITパスポート
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
国家資格など専門知識を証明できる資格ばかりに目が行きがちですが、ビジネスマンにとって必須スキルとも言えるスキルを身に付けられるIT資格についても確認しておきましょう。
おすすめIT資格①:ITパスポート
50代からのリスキリングにおすすめのIT資格の1つ目は、ITパスポートです。
ITパスポートとは、情報処理技術者試験のうちの一つで、IT業界の人だけではなく幅広い人が受験している資格です。ITパスポートを取得しているとITに関する基礎的な知識を理解していると判断されます。
ITパスポートの出題範囲は、マネジメント系からテクノロジー系、ストラテジー系のように幅広くなっており、ITに関する知識を広く身に付けることができるため、ITリテラシーが向上します。ITパスポートの2021年度の合格率は52.7%となっているため、比較的取得しやすい資格と言えるでしょう。
ITの基礎的な知識を幅広く学びたい人は、ITパスポートの資格取得を目標にして勉強するのがおすすめです。
おすすめIT資格②:MOS(Microsoft Office Specialist)
50代からのリスキリングにおすすめのIT資格の2つ目は、MOSです。
MOSとは「Microsoft Office Specialist」の略で、MicrosoftのExcelやWord、PowerPointといったツールを利用する際のスキルを証明するための資格です。
MOSの試験は一般レベルと上級レベルに分かれており、一般レベルの合格率は約80%、上級レベルの合格率は約60%となっています。
一般レベルの資格を取得しておけば、ビジネスマンにとって必要最低限の利用スキルがあると判断されますが、より高いスキルを求める際には上級レベルにもチャレンジしてみましょう。
50代の転職に役立つ資格や検定選びの3つのポイントとは?
50代が転職する際に役立つ資格選びのポイントは以下の3つです。
- これまでの実績を活かせるか
- 適性があるか
- 難易度や期間の目安を確認する
順番に解説します。
これまでの実績を活かせるか
50代の社会人が転職する際には、これまでの実績を活かせるかどうかが重要なポイントです。
未経験の業界への転職も可能ですが、転職先の企業からは約30年間培ってきたスキルや経験値を求められます。
たとえば、新卒で入社して50代まで不動産の営業をしていたのに、いきなり経理職への転職は難しいですよね。
そのため、まずは自分の実績を活かして転職先で即戦力となれるような資格を取得するのがおすすめです。
適性があるか
資格を取得するにあたって、適性がない資格の勉強をするのは苦痛に感じてしまい継続できなくなってしまう可能性があります。
自分の適性に合った分野や興味がある分野の資格であれば勉強が捗り、資格取得も短期間で実現できるでしょう。
また、自分のライフスタイルに合った働き方ができる資格を取得すれば、転職後も長期間仕事を続けられる可能性が高まります。
難易度や期間の目安を確認する
難易度や資格の取得までにかかる期間はそれぞれ異なりますが、難易度が高い資格は膨大な時間を要します。
たとえば、司法書士の試験は3,000~8,000時間が勉強時間の目安と言われています。
50代から司法書士の試験を受けるのは極端な例かもしれませんが、転職するにあたって転職したい時期から逆算して、取得できる資格を絞り込むのがおすすめです。
まとめ
今回は、50代から取り組むリスキリングについて紹介しました。
リスキリングは20代や30代など若手が取り組んで転職や昇進に役立てるイメージが強いかもしれませんが、実は50代からでも必要な取り組みです。
リスキリングに取り組むことで現在の職場での業務効率化や資格手当を受給できるだけではなく、幅広い基礎知識を身に付けていると判断され転職に有利になるケースもあります。
国家資格など専門知識を証明できる資格ばかりに目が行きがちですが、ビジネスマンにとって必須スキルとも言えるスキルを身に付けられるIT資格にも積極的にチャレンジしてみましょう。